根菜の日常と非日常

根菜(特に大根)好きな管理人が、田舎に移住して出会う日常と非日常を綴る

電車にまつわる世にも奇妙な物語

どもども、スケ半です。

 

暖かくなって、「そろそろお出かけでもしようか」という方もいらっしゃるでしょう。いいですよね、春の陽気の中でのお出かけ。

 

素晴らしい。

 

お出かけをするとなると、必要になってくるのは『あし』ですね。

 

皆さんは、どの『あし』が好みですか?

 

 

 

 電車にまつわる世にも奇妙な物語

 はじめに

 

徒歩は最高です。

乗り物に乗っていては見ることのできない景色を間近で見ることができるし、なによりも五感をフルに使っている感じがたまらない。

 

 

痩せるし。

 

 

僕は徒歩の次に『車』が好きです。

 

なぜか?

『個人の密閉感』を愛しているからです。

 

あの不可侵的空間が大好きです。

 

 

僕はボッチのコミュ障で人間が不得意です。

 

よって公共交通機関が苦手です。

常に人と同じ空間にいるのが苦手です。

 

最悪なのは、ご飯を食べた後のエレベーターです。

たとえ10Fが目的地だったとしても息を止めます。

 

閉所恐怖症なのかもしれません。

 

 

そんな中でも、もしかすると読者さんの中にもいらっしゃるかもしれませんが、

 

 

『電車』が好き。

 

という人種。

 

確かに電車の外観やシチュエーションは魅力的です。

 

 

 

 

しかし、僕は電車が苦手です。

 

 

まず、決められた時間にしか来ないところが苦手です。

そして、決められた時間に来ないところも苦手です。

 

 

いや、なによりも・・・

 

 

不思議な人と乗り合わせるのが恐怖でしかない。

 

電車で乗り合わせた不思議な人たち

完コピのポッチャリリュック

当時、僕は大学生だった。

 

電車が苦手だった僕は、通学にバイクを使っていた。

しかし、雨の日はもちろんバイクで通うことは難しく、仕方なしに電車に乗るようにしていた。

 

 

ある梅雨の時期。

僕は1限に間に合うように目を覚まし、重たい目を擦りながらカーテンを開けた。

 

 

外はあいにくの雨だった。

 

 

僕は、落ちる気持ちを何とか持ち上げてベットから這い出し、

暖かいシャワーを浴びて家を出た。

 

家から駅までは徒歩で数分。

傘をさすのが億劫だったので、小走りでホームへ向かった。

 

 

雨の日は駅が混む。

僕の気持ちはもう掬い上げられないほどに深くに沈んでいた。

 

僕は、時計に目をやってまだ動きの鈍い頭を働かせる。

 

 

(1限の教授は、、、大丈夫か)

 

 

ホームへ電車が滑り込んでくる。

扉が開くのを固唾を飲んで見守る群衆。

 

ここは始発から二つ目の駅。

運が良ければ座ることができるのだ。

 

大きなため息をつくように吐き出される機械音を合図に

人が雪崩れ込む。

 

僕はそれを静かに見届ける。

僕が動かないことなど気にも留めず、人々は僕にぶつかりながら雪崩れ込む。

 

 

僕は諦めたのだ、1限の頭から授業に参加することを。

遅れて教室に入る覚悟を決めたのだ。

 

 

僕は、その後も何本かの電車を見送り、気付けばホームに一人取り残されていた。

朝のラッシュは終わり、時計は8時半を回ろうとしている。

 

電車は少しずつ間隔を広げてホームへ入ってくるようになった。

僕は電車に乗ることにした。

 

車両の中には、数人の姿しかなかった。

僕は、扉の一番近くに腰を下ろした。

 

扉の近くにあるのシート端は、手すりが複雑な形で壁のようなものを作っていた。

僕はそこにもたれるようにして目を瞑った。

 

いくつかの駅を過ぎ、電車は地下に潜ったようだった。

車内アナウンスでは、次の駅の広告が流れていた。

 

 

「次は○○~、○○病院は3番出口、質屋の△△は~~」

 

 

僕は目を瞑ったまま眠れずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナウンスに異変を感じたのは、次の駅に止まったときである。

 

 

 

 

「次は~○○、○○です。○○商店は1番出口、□□庁舎は~」

 

 

 

僕は、目を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

違和感を感じたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声が、さっきと違う。

 

 

 

 

 

 

 

車掌が変わったわけではない。

なぜなら、アナウンスは機械に吹き込まれたものだったから。

 

 

 

 

 

 

 

声が変わったという表現も少し違う。

 

正確には、二重に聞こえる。

 

 

 

 

 

 

僕は顔を上げた。

 

目の前には、女性が一人と老人が一人座っていた。

 

いつもの日常。

 

 

僕は姿勢を変えようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

身体を預けていた手すりの壁から手が生えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は驚いて手の先を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野球帽を被ったリュックの青年がそこには佇んでいた。

 

 

体型はいくらかポッチャリ。

少しオタクっぽいいで立ちだった。

 

 

 

その青年は、まっすぐに車窓を眺め、小刻みに身体を揺らしていた。

 

 

幾分か不気味ではあったが、嫌悪感を感じるほどではなく、むしろ驚いたことを申し訳なく感じた。

 

 

 

電車は次の駅へ着こうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と同時に、青年は豹変した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は~○○、○○~です。△△株式会社は奥の階段、□□商事は~」

 

 

 

アナウンスの声がした。

 

しかし耳に入ってこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜなら、青年が全く同じタイミングで全く同じ文言を元気に発声していたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青年は、完璧にアナウンスをコピーしていた。

一字一句間違わずに、始まりから終わりまで全くズレることなくアナウンスしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は感服した。

 

 

 

こいつ、すごい。

 

 

 

 

電車は、駅を離れようとドアの開閉を知らせるベルを鳴らした。

 

 

 

青年は身体を揺らした。

 

 

 

 

 

 

 

「トゥゥルルルッルルルッルルル~♪」

 

 

 

 

 

 

 

?????

!!!!!!!

 

 

 

 

こいつ・・・まさか!!!

 

 

 

 

 

青年はなんとベルの音までをも完璧にコピーして見せたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

なんて野郎だ・・・。

 

 

しかし、彼は驚く僕をまるであざ笑うかの如く続けた。

 

 

 

「ぷしゅぅぅぅぅ~・・・」

 

 

「トゥーントゥーントゥゥゥーーーン・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!?!?!?!?!??!?!

 

 

 

なん・・・だと・・・?

 

 

こいつ、発進時の動作音まで完璧だ。

 

どうなってるんだ、とても同じ人間とは思えない・・・。

 

 

 

 

 

僕は、乗り換えの駅まで彼の完璧なパフォーマンを楽しんだ。

 

彼は、もちろんすべての駅のアナウンスを完璧にコピーして見せた。

そして、当然のように全ての発着音を完璧にコピーして見せた。

 

乗り換えの駅に着いて、席を立った時も彼はこちらを見ようとはしなかった。

 

 

 

しかし、僕は彼に対して心の中でスタンディングオベーションを送っていた。

 

 

 

「素晴らしいものを見せてもらった、感動した」と。

 

 

 

 

僕は、電車を降りて乗り換え先のホームで電車を待ち、そして乗り込んだ。

 

 

 

電車の中はガラガラだった。

 

 

 

僕は、先ほどと同じ場所に座り、先ほどの奇跡を頭の中で反芻した。

あんな奇跡には、もう出会えないかもしれない。

 

 

 

 

電車は減速し、ホームに着こうとする。

車内アナウンスが流れる。

 

 

 

 

「次は~、○○~、○○です。□□大学は3番出口~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、これこれ。

こうやって、二重に聞こえ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は顔を上げて手すりを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

手すりには手が生えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

手の先を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野球帽のポッチャリリュックがそこには佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

本当にあったお話し。

 

 

小麦色の貪りギャル

その日はゼミの飲み会であった。

 

僕の大学は珍しく1年生からゼミに所属することができるタイプであった。

比較的真面目で厳しいゼミであったが、その分教授も手厚く学生の面倒を見てくれた。

 

今でこそ未成年の飲酒は騒がれるようになったが、昔は当然のように皆飲んでいて、教授も「私の前では飲まないように」と暗黙の了解をしている時代だった。

 

僕は下戸だったため、いつもお酒を飲むことなく、酔っぱらった友人を家まで送り届ける役割をしていた。

 

僕と友人は、終電近くの電車に乗り込んだ。

 

始発駅だったため、僕らはガラガラのシートを独占して半分寝落ちしていた。

 

 

「あぁ~、気持ち悪い」

友人はうわごとの様に呟いた。

 

「頼むから電車で吐かないでくれよ、もらうぞ」

僕は懇願した。

 

 

「おまえクリスマスの予定は?」

友人はうわごとの様に呟いた。

 

「まだ一か月近く先の予定は分からんが、絶対に埋めてみせる」

僕は語気を強めた。

 

 

 

ほどなくして、電車はまもなく動き出すことをベルで知らせた。

 

 

 

同時に、女性が一人車両に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャルだった。

 

 

 

それもゴリッゴリのギャルである。

 

 

 

 

 

まず、髪の毛はおよそ金髪とは言えない白に近い不思議なトーン。

肌はこんがり小麦色に焼けていた。

 

服装は、白のビロビロがついたインナーに黒のライジャケを羽織り、テカテカした黒のミニスカにブーツを履いていた。

 

金色の装飾が身体のいたるところに散りばめられていて、バックはシャネルのマークがついていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャルだった。

 

まごうことなきギャルそのものだった。

 

 

ギャルは僕らのはす向かいに座った。

 

 

 

 

僕らは、身を乗り出してギャルを見ていた。

 

ギャルはその視線に気付いてか気にしていないのか、脚を組んだ。

 

僕らはその一挙手一投足にくぎ付けになっていた。

 

 

良識のある一般人ならば、極力見ていることを悟られないように見るだろう。

 

見ないという選択肢はない。

男は総じてパンチラが好きだ。

 

しかし、僕らは違った。

クリスマスを前にして突如現れたゴリゴリのギャルに目が離せなくなったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガン見

 

 

その一言で全てを言い表すことができる。

 

ギャルが少しでもこちらへ振り返ろうものならたちまちに目が合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

構わない。

 

むしろ、僕らは若干身を乗り出していた。

 

 

生粋の変態なのである。

 

 

 

 

 

しかし、ギャルからは一向にこちらを見る気配を感じなかった。

 

ギャルは見られることになれていたのかもしれない。

 

ギャルの不動心を感じ取ることができた。

 

 

 

 

こうなってくると、僕らも幾分か落ち着きを取り戻す。

 

男というものは不思議なもので、エロに対しても『挑戦』が好きなのである。

そして、『攻略』が好きなのである。

 

 

 

無血開城では、血が滾らない。

 

 

 

僕らは一呼吸置いて、深く座りなおした。

一時前の自分たちの姿を思い出して、哀れに感じていた。

 

 

すると、ギャルはシャネルのバックをおもむろに漁り始めた。

 

シャネルのバックはそこそこ大きなトート型である。

 

その中に小麦色の腕を突っ込んでまさぐっている。

 

僕らは気付けばまた前のめりになっていた。

 

 

ギャルは、シャネルのトートから小さなビニールを取り出した。

 

 

それは小さなビニールだった。

 

 

僕らはそのビニールをガン見した。

 

しかし、中身は分からない。

 

 

 

 

 

 

 

ギャルは、そのビニールをこなれた手つきで開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、中からピンク色の棒状のものを取り出した。

 

 

 

 

 

 

僕らはもうシートから落ちそうなくらい腰を浮かしていた。

 

 

 

 

 

ギャルはそのピンク色のものを空で上下右左と少し観察した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、おもむろに咥えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンクの棒を咥えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは無意識に口を動かしていた。

 

ギャ、ギャル・・・・・!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャルは、少し口を動かすとピンクの棒を引きちぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは動揺した。

 

 

 

え、千切れるんだそれ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャルは口をくちゃくちゃと動かしてそれを咀嚼した。

 

 

 

 

 

そう、ピンク色の棒を食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らは唖然としながらその姿を見届けた。

 

 

 

ビニールの中には、三本のピンクが収納されていた。

 

それをすべて平らげた。

 

 

 

僕は呆気に取られていた。

 

 

すると、ギャルはさらにシャネルのトートを漁った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中からハムを取り出した。

 

コンビニに売っている薄切り朝食ハムである。

 

 

そして、ギャルはそれを咀嚼した。

 

 

 

 

 

 

 

僕らは、しばしそれを見届けた後、電車を降りた。

 

 

 

 

 

 

降りて開口一番、すっかり酔いの醒めた顔で友人は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれは赤棒だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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僕は言った。

 

 

 

 

「赤棒って生で食えんの?」

 

 

 

 

 

本当にあった話。

 

 

 

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