根菜の日常と非日常

根菜(特に大根)好きな管理人が、田舎に移住して出会う日常と非日常を綴る

田舎の教育事情について元塾講師の観点から考察する

皆さん、こんにちは。

女王様が風邪をひきました。正確に言うと、ひいていました。過去形。

週末の釣りチャレンジが陰キャラの身体に祟ったようで、絶賛発熱祭りを開催しておりました。もちろん、僕はこの世で一番元気です。

 

皆さんも体調を崩しがちな年末、御身体にご自愛ください。

 

年末と言えば、こんなにも穏やかな年末を迎えられるのは昨年に続いて二年目。

移住してくるまでは、それはそれは過酷な年末を過ごしていました。

 

そう、僕は元塾講師なのです。

正確に言うと、関西大手進学塾の教室運営を任されていました。

いわゆる『塾長』もしくは『教室長』と言われるものです。

過酷を極める塾関係者の年末

塾関係者にとって、年末というのは一年で最も忙しいと言っても過言ではない時期です。

塾運営の一年の流れとしては・・・

 

3月(新年度スタート)

新年度生徒募集・高校入試大学入試決着・卒業関係・年度更新手続き・入試速報会 等

4月

新年度生徒募集(決着)・保護者会・説明会・入学式広報・新入生把握 等

5~6月

定期テスト対策・面談・夏期講習会準備

7~8月

夏期講習・夏の営業祭り・面談・合宿

9~11月

入試用特訓・面談・定期テスト対策・新年度時間割作成・受験校選定 等

12月

新年度告知・冬期講習・受験校最終調整

1月

正月特訓・入試激励・合否対応・保護者会

2月

新年度準備・講師研修・入試激励・合否対応・新年度更新手続き・保護社会 等

 

ざっくり書くとこんな感じです。細かく言えば、会社へ提出する書類や私立校との会議やさまざまなものが各月に満載です。

もちろん、塾によって多少違いますが大手はだいたいこんな感じでしょう。

年度末に向かって忙しくなるのは、どこの会社もそうでしょうが、塾関係は2月が年度末の場合が多いかと思います。

 

この12月から2月までは、塾関係者はほぼ死んでいます。

特に中学受験と高校受験を両方統括する大きい教室は死にます。

ほとんど毎日、朝7時には受験校の前に立って激励、その後教室に帰って保護者会や新年度の準備、夕方から夜は授業。

 

普段の生活は、

0時過ぎまで働いて、食事やお風呂やなんやら済ませて2時から5時までゲームをして、10時まで寝て、身支度を整えて出社。一日ほぼ一食で、あとは何かしらつまむ。

 

そんなこんなで、昼夜逆転の夜のお仕事みたいな生活をずっと続けていました。

 

移住先の塾事情は、やはり都会のそれとは違った

 

田舎へ移住しても、やはり『教育』というものに愛着のようなものを持っていたし、興味もあったので、いろいろ見て回りました。

ただ、移住先は田舎といってもおよそ皆さんがイメージするような『超絶田舎』ではなくて、コンビニもファミレスもユニクロもある『苦労しない』程度の田舎に住んでいます。

よって、ここの地域には大手の予備校が一つだけ入っていました。名前は伏せますが、皆さんご存知の大学予備校です。

大学受験が有名でメインですが、中学生の指導も行っています。

 

あとは、有名な〇〇式と〇研がいくつか。

それ以外は、個人塾になります。

 

この地域の方々は、みんな口を揃えて

「塾はいっぱいあるよ」

と言います。

 

はっきり言います。

全然ありません。

 

そもそも、〇〇式と〇研は置いておいて、大手の予備校が一つしか参入していない時点で全然です。競争がない。

個人塾が多いように見えますが、それは大手が参入してきていないので駆逐されていないだけです。逆に言うと、個人塾が生き残れる土壌がまだあるということです。

 

関西でも名古屋でも、一つのビルに3つも4つも塾が入っていることなんてザラだし、なんなら西口と東口で同じ大手の塾が別に入っている、なんて現象もあります。

 

この地域は、人口がおよそ3万人。

類に漏れず少子高齢化で子どもの数は多くありません。

 

また大学が市内にないため、大学へ進学したい場合は県内のどこかにいくか、レベルの高い、もしくは希望の学部を目指して県外へ出ることが大前提の地域です。

 

そして、高校の質。

市内のトップ高校の上位クラスの偏差値が61、普通クラスで52。

 

高校の偏差値61ということは、

超絶頑張れば旧帝大も目指せて、めっちゃ頑張れば早慶上智の文系、頑張れば関関同立やマーチを目指せるラインだと思います。

 

しかし、予備校の数は1つ。

大学受験において最も大事なことは『競争力』と『分析(データ)』です。

高校受験までは、個人でも問題ありません。自分のペースで研鑽を積む。それで大丈夫です。

しかし、大学受験はそうはいきません。そもそも大学は全入時代ですが別に絶対行かなければいけないわけではありません。

それでも行きたいと意欲を持っている人間、特に上位の大学や特別な学部を狙っている人間、さらに浪人生という物理的に自分より多く時間を積んでいる人間。

その人間たちと戦うとき、必要なのは『自分が今どの位置にいるか』、これになります。

それを把握するために模試を受けます。自分の強み弱みを分析して競争力を高める。

そのためには、母体の人数が多い方が得です。

 

だから、僕が個別の教室運営をしているときは、高校生にはある段階で予備校へ転校することを勧めていました。これがバレたら上からとんでもなく怒られますが、バレなければいい精神でやっていました。

集団は高校受験までだったので、必然的に進学と同時に予備校へ送り出していました。

 

予備校は全国の母体が大きいところに行くのがベスト。大きい模試以外に独自にやっているテストなんかで常に自分の状況が把握しやすく、かつ人数が多いことでデータの正確性が上がるため。

 

それともう一つ、塾同士の競争でサービスの向上。

塾が乱立する都会では、生徒の奪い合いが起こり、常に淘汰が繰り返され、サービスの向上が見込まれます。

そして、奪い合うのは生徒だけではなく、講師についても同じです。より良い講師を確保すること。これが何よりも重要になります。

質の良い講師がいれば、生徒の成績と支持率が上がり、合格実績が伸びて、それが自然と口コミなり、新入生が増える。まさに要。

 

 

田舎では、上記のことが起こりにくい現状があるのでは、と感じました。

予備校の選択肢は一つしかなく、選びようがない。個人塾でこのまま行ってもいいのかどうか判断がつかない、なんてことが起こりそうだな、と。

 

断っておきますが、僕は実際に教室に入ったこともないですし、授業やサービスを受けたことはありません。なので、上記の塾がそうだと言っているのではありません。

あくまで、都会と田舎を元塾関係者が見比べた時、という話しをしています。

田舎というか子どもの絶対数が少ない地域で行う募集の難しさを身に染みてわかっているので…。

 

では一方の公教育の方はどうなのか

公教育については、この地域は『頑張っている』方だと思います。

 

プログラミングの授業や塾を市が中心となって起業を呼んで取り組んでみたり、自然が豊かなことを利用して校外学習を積極的に取り入れてみたり。

特別行き遅れていると感じることはありません。もちろん、カリキュラムを細かく見たわけではないのと、実際に授業を受けたわけではありませんが…。

 

また田舎過ぎないため、『学年に同級生が一人』なんてことももちろんありません。

ちゃんとクラスとして成り立つ人数がいるので、協調性等も問題なし。

保育園も充実しており、選ぶことができる。また手当もしっかりしている。

小さい子どもを育てるのには良い環境なのではないかと、感じる。

 

田舎で子育てをするということ

公教育については、都会よりも人数や地域の結びつきの観点からも非常に好印象な田舎。

高校の校舎へお邪魔する機会が何度かありましたが、皆さん立ち止まって挨拶をしてくれるなど、都会で味わったことのないような清々しい場面もありました。

 

その一方で、習い事の面では選択の幅が都会よりは狭くなります。

ダンスを習わせたい、バイオリンをやらせたい、絵画教室に行きたい。

などなど、ないものもあるし、あっても一つしかなくて選ぶことができない。

という問題点があります。

 

また、大学進学を考えると、ほぼ実家を出ることになり、一人暮らしの生活費と学費、親元を離れる寂しさ、などの問題もあります。

また、小学校受験はもちろんですが、中学受験の難しさもあります。

中学受験は、高校大学と比べても特殊で最も難しい受験と言っても過言ではありません。

それに一人で立ち向かうのはほぼ不可能で、両親が付きっ切りになっても状況はあまり変わりません。

しかし、田舎で中学受験に対応できる塾は極端に少ないです。

ここでも、選択が狭められることになります。

 

今のご時世、どこも塾業界は厳しい生き残り戦争です。

そのため、さまざまな工夫を凝らして生き残りをかけています。

 

その中で自分に合う塾選びができるかどうかは、成果やモチベーション、合否に繋がってきます。

 

選択の幅が狭いというものは、命とりなのです。

 

 

教育・学力・指導力・選択肢

 

この辺りが田舎へ移住するときに、どこに重きを置くか。

これは検討しておくべきだと思います。

 

 

今日は超絶真面目モード。

面白味ゼロの記事を絶賛お送りしました。

今日はいつもの言葉を封印します。

簡単には言えない問題を今回は書いたから。

 

 

ちなみに、僕が個別授業で大学受験の現代文を指導をするときに使っていた教材は

出口の現代文レベル別問題集 1超基礎編 改訂版 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

出口さんの現代文シリーズ。

これの何がいいかと言うと、解説が分厚いこととレベルがしっかり分かれているところ。

これが非常に大事。解説が厚いと自習が捗る。

高校生にもなって、ましてや大学受験をしようとしている人間が

イチから全て講師の解説を聞いたり頼ったりするのは時間の無駄で非効率。

だから、ある程度自分で進められる解説が厚いテキストを買うのがおすすめです。